りーがるーブログ

[2025/05/20] イベント報告

関東Aブロック研究大会第2分科会レポート

 令和7年4月5日(土)、新潟市の朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターで、関東Aブロック研究大会が開催されました。今回はその中で行われた第2分科会について、現地取材をもとにレポートします。
 
 第2分科会では、「意思決定支援と権利擁護から考える補助・保佐類型の活用~権限とチーム支援に着目して~」をテーマに掲げ、第1部で基調講演、第2部でリーガルサポート会員によるアンケート結果の報告、第3部でパネルディスカッションを実施し、補助・保佐類型の活用に関する理解を深めました。
 
 第1部の基調講演では、「『補助・保佐の活性化』を考える」というテーマで、日本大学法学部法律学科教授の清水恵介氏が登壇しました。補助・保佐類型が十分に活用されていない理由として、成年後見制度そのものへの理解不足や、専門職後見人の間に補助・保佐類型への抵抗感があることが挙げられました。清水氏はまた、申立ての段階から本人の意思を尊重し、補助人・保佐人を選任することが制度の利用促進につながると述べ、補助・保佐類型が将来の成年後見制度改革における中核となる可能性にも言及されました。
 
 第2部では、「なぜ補助・保佐が利用されにくいのか」をテーマに、令和6年7月から9月にかけて実施された全会員対象のアンケート結果が報告されました。報告者は、当法人利用促進法対応委員会副委員長の谷本亜希美氏と、同委員会委員の石田頼義氏です。質問内容には「意思決定支援で苦労したこと」「工夫したこと」「反省点」などがありましたが、いずれの設問でも共通して上位に挙げられたのが「本人とのコミュニケーション」でした。第1部での講演でも、補助・保佐類型の特徴として「本人の意思決定支援」が強調されていましたが、その視点がアンケート結果にも明確に反映されていたと感じました。
 
 第3部のパネルディスカッションでは、第2部のアンケート結果を踏まえ、登壇者が失敗事例や成功事例を紹介しつつ、円滑な業務に必要な要素や、法改正を見据えた今後の制度の在り方について議論を交わしました。パネリストとして、当法人利用促進法対応委員会委員の杉本修氏、髙橋明子氏、半井雄介氏が登壇し、同委員会委員の阪本朝子氏がコーディネーターを務め、第1部に登壇した清水氏がアドバイザーとして参加しました。
 補助および保佐類型の利用促進に向けた課題としては、本人の意思決定支援を重視し、必要な支援を必要なときに提供し、不要になれば終了できる柔軟な制度への転換が求められています。また、権限行使の在り方についても、包括的代理権に依存せず、本人の同意に基づく限定的・補助的な支援への見直しが検討されています。そのためには、地域連携による意思決定支援体制の構築と、専門職間の協力が今後ますます重要となるとのことです。
 事例紹介では、チーム支援の実践として、本人を中心に関係者が定期的に連絡を取り合うことの重要性が強調されました。補助・保佐類型では代理権が限定されるため、関係者を巻き込んで多くの支援者の力を借りることが不可欠です。登壇者からは、「だからこそ、本人と支援者との間で信頼関係が築かれ、より良い支援へとつながるのではないでしょうか」との言葉があり、今後の補助・保佐類型の利用促進に向けた前向きなメッセージとして、印象的な締めくくりとなりました。
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